
猫の平均寿命は?
家で飼っている家猫の平均寿命は 15歳 です。短く感じるかもしれませんが、約20年前の猫の平均寿命は5歳程度だったので寿命はかなり伸びています。
(元々、猫の臓器の対応年数は5~6年と考えられています)

この20年の間に3倍も平均寿命が伸びたのは、完全に室内飼いになった家庭が多い事と、食事や生活環境が良くなったからです。
最近では、20歳を超える猫もめずらしくなくなってきています。
ただ、個体差はありますが老化現象が始まるのはだいたい7~10歳頃です。
元気に見えても、視力が落ちてきたり、鼻がきかなくなったり、病気になりやすくなったりします。
少しでも愛猫と長く一緒に暮らすためには適切な食事で肥満を防止したり、運動や体のお手入れ、健康チェックは欠かせないです。
これから猫が長生きをする為に必要な秘訣についてご紹介させていただきますので、愛猫との暮らしの参考にしてみてください。
猫の長生きの秘訣「食事」

猫の寿命が伸びている大きな要因として「食事」があります。
以前(1970年代頃まで)は、キャットフードがほとんど無かったので、「猫まんま」と呼ばれる残飯や混ぜご飯のような物を猫の食事として与えていました。
(猫の寿命が5歳くらいと短かった頃は、ご飯に味噌汁をかけた物や、ご飯にカツオ節をかけた物などを与えている家庭が多かったのです)
ただ、「雑食」で何でも食べる人間と違い、猫は「肉食」です。
食べられる物も必要とする栄養も違います。
人間の食べ物では必要な栄養を摂ることはできないです。
そして、猫にとって必要な栄養はキャットフードだけで摂れます。
「総合栄養食」と書いてあるキャットフードを与えるだけで必要な栄養が摂れるのです。
(市販のキャットフードは年齢に合わせて栄養を調整した物が販売されています)
まずは、キャットフードを与えるだけで猫の栄養は足りるということを覚えておいてください。
食事の回数はどれくらいがいいの?
猫の食事回数は、年齢によって変わってきます。・子猫(1歳まで)は、3~4回
・成猫(1~6歳)は、2回(朝、夕)
・シニア(7歳以上)は、3~4回
となっています。
まだ肥満になっていなければ回数は特に大事なわけではないですが、与える量は気を付けるようにしてください。
市販のフードに記載されている量を目安として与えてあげてください。
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フードは出しっぱなしでもいいの?
一日分の量を食器に入れておくと猫は自分のペースに合わせて、何回かに分けて食べるようになります。ただ、ドライフードなら出しっぱなしでもいいのですが、ウェットフードの場合は暑い時期には痛みやすいので、なるべく出しっぱなしにはしない方がいいです。
フードを食べてくれない時はどうすればいいの?
食べ過ぎは良くないですが、食べないのも良くないです。フードを食べない場合には、食器に音を立てて気づかせながら食べ物を入れたり、直接口元に運んで食べさせたり、今まで食べていたフードと新しいフードを混ぜて与えてあげるといったようなことをしてみてください。
まったく食べる気配がなかったり、状況が改善されない場合は早めに動物病院で診てもらうようにしてください。
猫の肥満を防ぐには?

本来、猫は犬と違って胃が大きくふくらんだりしないので一日に何度食事をしても肥満になりにくい動物です。
でも、実際には肥満になっている猫は多いです。
肥満になる主な原因として・・・
・去勢や不妊手術によってホルモンバランスが崩れて肥満になりやすくなる
(去勢や不妊手術が良くないというわけではないです)
・食べ物を与える量が多い
・運動量が少ない
などです。
そして、肥満になると危険な状態になりやすいです。
どうして肥満になると危険なのかというと体に負担がかかるからです。
肥満になると重たい体を支えることになるので日常生活が大変になるだけでなく・・・
「関節」「筋肉」「心臓」「呼吸器」などに大きな負担がかかります。
そして、病気にもかかりやすくなってしまいます。
肥満が原因でかかりやすくなる病気
「心臓病」人も肥満になると心臓に負担がかかって心臓病になりやすいですが、猫も太りすぎると心臓に負担がかかるので心臓病になる可能性が高くなります。
「糖尿病」
猫が糖尿病になるのは血糖値を正常な状態に保つインシュリンが上手く作用しないからです。
猫が肥満になるとインシュリンが作用しづらくなって糖尿病になりやすいです。
「皮膚病」
太りすぎることによってグルーミング(毛づくろい)が上手くできなくなります。
猫は元々、キレイ好きな動物でグルーミングによって体をキレイにしています。
体をキレイにできないと皮膚が汚れて皮膚病になりやすくなるのです。
「脂肪肝」
肝臓に脂肪が溜まってしまう病気です。
肥満状態の猫が急にフードを食べなくなることで起こる病気で、空腹状態が続くと肝臓に脂肪がたまり機能が低下してしまいます。
肥満にさせない為に気を付けること

「適正な食事量を与える」
猫には低カロリーで高タンパク質の食事が必要です。
キャットフードを与えることで必要な栄養を摂ることはできますが、量が多すぎると肥満になりやすいです。
フードによってカロリーが違うので、ちゃんと計算してから与えてあげてください。
「規則正しく食事を与える」
食事の時間がバラバラだと、お腹の減り具合も違うので食べる量がバラバラになってしまいます。
そして、空腹の時間が長くなると「食べられる時にたくさん食べる」という行動をとって食べ過ぎてしまいます。
食事の回数は少なくても1日に2回以上は摂るようにしてください。
「運動できる環境を作る」
室内飼いの猫は刺激が少ないので運動量が減りやすい傾向にあります。
食べる量だけでなく、消費カロリーも肥満を防ぐ為には必要なことなので運動できる環境を整えたり、一緒に遊んであげるようにしてください。
(運動をすることで筋肉が増えて基礎代謝も上がります)
生活環境を整える

猫も人間と同じようにストレスを感じます。
ストレスが溜まると体調を崩したり、病気にかかりやすくなります。
ストレスを溜めない為には、安全で快適な環境を作ってあげる必要があります。
トイレ
猫はとてもきれい好きなので、トイレはいつも清潔な状態にしておく必要があります。(トイレが汚れていると別の場所で粗相をしてしまう原因になるし、猫がストレスを感じてしまいます)
場所は、なるべく人が通らない静かで角(かど)になっている所が良いです。
トイレの形や砂は猫によって好みが違うので気に入らないようなら色々なタイプの物を試してみてください。
多頭飼いの場合は、頭数+1でトイレの数を用意してあげてください。
寝床を用意してあげる
猫は、とてもよく寝る動物です。ゆっくりと眠れる環境は人間と同じようにとても大切なことです。
入り口がせまくて、体がすっぽり入るような寝床が良いです。
(落ち着ける場所に寝床を用意してあげてください)
隠れられる場所を用意してあげる
寝床の他に隠れることができる場所を用意してあげると安心してくつろげるようになります。たまたま飼い主さんの置いた空き箱などが、くつろげる空間になったりもします。
スキンシップの強要はしない
猫を見ていて可愛いと、ついかまいたくなりますが猫にとっては大きなストレスとなります。遊びたい場合なら別ですが、くつろいでいたり、寝ている時などに触りすぎないように注意してください。
(コミュニケーションを取ることは良いことですが、少しでも嫌がっているようならすぐに辞めてあげてください)
ストレスが溜まったときにあらわれる傾向

ストレスが溜まると猫は、普段しないような行動をしたり体に変化があらわれます。
例えば・・・
・目の瞳孔(どうこう)が開く
・興奮した状態が続く
・血尿が出る
・体をなめ続ける
・怒りっぽくなる
・マーキング行為をする
・食欲が無くなる
・粗相をする
・鳴くことが多くなる
・布や段ボールをかじる
・狭い場所に隠れたがる
などがあります。
上記のような行動や体の特徴が見られる場合はストレスが溜まっている可能性があります。
ストレスが溜まると体調を崩したり、病気の原因になってしまうので行動をよく観察してストレスの原因を取り除いてあげてください。
ストレスの原因を探すことは難しくて根気のいることですが、飼い主さんにしかできないことなので愛猫の為に見つける努力をしてあげてください。
運動をする

猫は野生の習性が大きく残っている動物で、獲物を見つけると狩りをしたり、興味があると(好奇心旺盛だと)探索をしたりと動き回ります。
そして、動くことで骨格や筋肉が発達して健康にもなります。
反対に運動をしないと肥満になったり、老化が早まったり、病気になったりします。
運動不足にならない為には、運動できる環境作りが必要になってきます。
高低差のある場所を作る
キャットタワーが置ければいいのですが、難しい場合は棚や箱を利用して猫が登り下りできる状態を作ってあげてください。遊ばせる
猫じゃらしやボールなど様々なオモチャが販売されています。ペンライトや懐中電灯で光りを動かして遊ばせる方法も良いです。
あとは、多頭飼いの場合は「追いかけっこ」や「じゃれ合う」ことでも運動になります。
運動したがらない場合は?
健康な猫であれば活発に運動をしますが、体調が悪い場合は運動をしたがらないことがあります。体に痛みを抱えていたり、具合がよくない可能性もあるので「何かおかしいかも・・・」と感じたら動物病院で診てもらうようにしてください。
あとは、猫の種類(純血種)によっては運動をあまりしないタイプの猫種もいます。
体のチェック

日頃からスキンシップを取りながら愛猫の体のチェックをすることも大切なことです。
普段から体の状態をチェックすることによって、小さな変化でも見逃すことがなく病気の早期発見につながります。
体全体を触りながら、皮膚が赤くなっていたり、「しこり」ができていないかなどをチェックしてみてください。
ただ、しつこく体を触られるとストレスを与えてしまうので、嫌がったらすぐに辞めるようにしてください。
(普段は触っても嫌がらないのに触ると嫌がる場所は痛い可能性があるので、その場合は動物病院で診てもらうようにしてください)
顔のチェック
目の色の変化やアゴの下のリンパが腫れていないかなど顔全体をチェックします。お腹
「しこりができていないか」、「張っていないか」「痛がったりしていないか」などをチェックしてください。お腹が張っていたら「リンパ腫」「便秘」「異物誤飲」などの可能性があります。
あとは、心拍数が早くなっていることもあるので普段から触ってチェックしてみてください。
背中
全体をゆっくりと触ってチェックします。・毛を触った感触がいつもと違う
・体にボコボコとしたものがある
・急に痩せてきていないか
・触って痛がる所がないか
などを調べる。
肋骨のあたりに脂肪がついていると肥満の可能性があります。
脚
前脚、後ろ脚の4本を触って、爪や肉球に異常がないかを確認してください。ヒザの後ろも触って「しこり」がないかどうかをチェックしてみてください。
(ヒザの後ろにはリンパ節があります)
しっぽ
いつもと違う曲がり方をしていないかチェックしてみてください。ケガや骨折をしている場合がありますので。
あとは、おしりの周りも汚れていないかどうかを確認してみてください。
ただ、しっぽを触られるのを嫌がる猫は多いので、もし嫌がるようなら無理にチェックしようとはしないようにしてください。
さいごに
猫が長生きをするために大事なことは「食事内容」と「ストレスを与えないこと」と「健康チェック」です。これらは、すべて猫自身でどうにかできるものではなく飼い主さん次第となります。
猫が長生きできるのも短命で終わってしまうのも生活の仕方が大きく影響します。
少しでも愛猫と長く一緒に過ごす為に、愛猫が安全で快適に暮らせる環境を整えてあげてください。
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