
猫が吐く原因とは?
猫が吐く原因の主な理由は、毛づくろいで胃に溜まった「毛玉」を吐き出すからです。猫は毛づくろいで抜けた毛が体の中に入ってしまいます。
そして、溜まった毛玉を長毛種の場合は週に2~3回、短毛種の場合は月に1~2回のペースで吐き出します。
この場合は、猫の生理現象なので吐いた後で元気であれば問題はありません。
でも、猫が吐くのは生理現象だけでなく病気で吐く場合があります。
「一日に何度も吐く」
「毎日吐く」
「吐いた時に食欲がなくて、ぐったりとしている」
そういった場合は病気になってしまっている可能性が高いのです。
胃腸が炎症を起こしていたり、尿道閉塞から尿道症を引き起こすと命に関わるほど危険な状態になることもあります。
猫が吐いている時に「ああ・・また毛玉を吐き出しているんだ」て考えてしまうと、すぐに動物病院で治療すれば治る病気も治らなくなる場合があります。
これから猫が病気で吐く場合の症状や原因、病名について詳しくご説明させていただきますので、あなたの愛猫が吐いた時の参考にしてみてください。
そして、吐いている理由が分からない場合は自己判断をせずに、すぐに動物病院で診てもらうようにしてください。
猫が吐いた時の症状でチェックすることとは?
①「吐いた時に熱があるかどうか?」
猫が吐いた時に熱があると「感染症」にかかっている可能性があります。
多頭飼いをしている場合は、他の猫まで感染してしまう危険があるので隔離をする必要があります。
②「どのくらいのペースで吐くのか?」
「毎日吐くのか?」「一日に何回くらい吐くのか?」によって考えられる病気も変わってきます。
あとは、「食べてすぐに吐くのか?」や「定期的に吐くのか?」などもチェックするようにしてください。
そして、観察して気づいたことを病院に行った時に伝えてください。
③「トイレ行為を正常に行っているか?」
病気になると下痢をしたり、オシッコが出なくなったりします。
トイレの状況によって泌尿器系の病気なのか、すい臓や腎臓、感染症の病気なのかも分かるようになります。
④「どんなふうに吐くのか?」
吐き方によって原因や症状が分かります。
「激しく吐く」とか「吐こうとしても吐けない」とった状態によって原因が変わってくるのです。
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吐き方や吐いたもので考えられる原因や病気とは?
激しく吐く場合
「腸重責(ちょうじゅうせき)」腸が重なり合ってしまって、本来の腸の動きができなくなってしまっている状態です。
「腸閉塞(ちょうへいそく)」
異物を飲み込んで腸がふさがってしまっている状態です。
ガスが溜まって腹痛を起こします。
「腎不全(じんふぜん)」
腎臓の機能が低下している状態です。
猫の死因の中で最も多い病気で、激しく吐くようになります。
吐こうとしているけど吐けない状態
ビニール袋やヒモなど何か異物を誤って飲み込んでしまった場合に「吐こうとしているけど吐けない」といった状態になることがあります。あとは「毛球症(もうきゅうしょう)」の可能性もあります。
(毛球症は、毛づくろいで飲み込んだ毛を上手く吐き出すことができなくなっている症状です)
吹き出すように吐く場合
胃から腸への入り口にある「幽門(ゆうもん)」の機能が低下することによって「幽門痙攣症(ゆうもんけいれんしょう)」になってしまっている可能性があります。胃の中のものが逆流して、吹き出すように吐いてしまうのです。
1回だけ吐いて、その後は元気にしている場合
何かを間違って食べて反射的に吐いてしまうことがあります。吐いた後に食欲が無くなっていなかったり、他の悪い症状が出なければ問題ない場合が多いです。
ただ、しばらくの間はよく観察をして少しでも問題がありそうなら動物病院で診てもらうようにしてください。
吐いた物に血が混じっている場合
吐いた物に血が混じっている場合は、消化器管から出血していることが考えられます。緊急事態ですぐに処置をする必要があります。
食べた後すぐに吐いてしまう場合
食べた後すぐに吐いてしまう場合は、胃腸炎(いちょうえん)、幽門の異常、巨大食道症などの可能性があります。あとは、急いで食べて消化不良を起こしている場合に食後すぐに吐いてしまうことがあります。
吐いた後に食欲があれば問題無い場合が多いです。
何回も吐いてしまう場合
何回も吐いてしまう場合は、「胃腸炎」の可能性が高いです。飲んだり食べたりした後にすぐ吐いて、吐くものがなくなってもずっと吐き続けます。
猫が吐いている時の対処方法(応急処置)
猫が吐いている時は、吐いたものをのどに詰まらせてしまわないように頭を下げるようにしてください。後は、苦しそうだからといって抱っこしたりはしないようにしてください。
そして、吐いた時は食事や水を控えるようにしてください。
吐いても元気なら問題ない?

猫は人間と違い「吐く」ことを我慢しないです。
体調が悪い場合には病気じゃなかったとしてもすぐに吐いてしまいます。
吐く時の原因の多くは毛づくろいによって飲み込んだ毛を吐き出すのですが、食べ過ぎて胃がもたれた場合も吐くことがあります。
1回吐いて、その後吐くことが無く元気であれば問題ないことが多いです。
でももし、繰り返し何回も吐いたり、吐いたものに血が混じっている場合は「病気」の可能性が高いです。
すぐに動物病院で診てもらうようにしてください。
猫が吐く原因で一番多い病気とは?
猫が吐く病気で一番多い病気は、胃腸炎や胃拡張といった「胃腸に関係する病気」です。胃腸炎は、アレルギーや有害な物の誤飲、食べ過ぎなどが主な原因となっています。
繰り返し何度も吐くことで胃液だけでなく血が混じったものまで吐くようになります。
何度も吐くようになったら悪化する前に早めの処置が必要となります。
猫が吐く病気はたくさんある?
猫が吐く病気はたくさんあります。そして、猫も人間と同じように様々な病気にかかるリスクがあります。
特に老猫になると病気にかかりやすくなります。
下記の病気は猫が吐く時に考えられる病名です。
消化器系の病気
・胃腸炎・腸閉塞
・腸重責
・巨大食道症
・食道炎
寄生虫の病気
・フィラリア症・回虫症
・条虫症
伝染病
・ネコ汎白血球減少症(ネコ伝染性腸炎)泌尿器系の病気
・慢性腎不全・急性腎不全
・腎炎
・尿毒症
肝臓、すい臓の病気
・肝炎・肝硬変
・胆管肝炎症候群
・すい炎
・脂肪肝
内分泌の病気
・糖尿病・甲状腺機能亢進症
ホルモン系の病気
・子宮蓄膿症腫瘍(しゅよう)
・リンパ腫その他
・毛球症・ストレス
・異物誤飲
さいごに
「吐く」という行為は、食べた物が胃に届く前に吐く「吐出(としゅつ)」と一度胃の中に入ったものを吐き出す「嘔吐(おうと)」という2種類に分かれます。吐出の場合は、主に「食道のトラブル」が原因で、嘔吐の場合は、「消化器系の病気」や「腎臓、肝臓の病気」「寄生虫」「熱中症」など様々な原因があります。
専門的な知識が無いと本当の原因を理解することは難しいです。
なので、「なんで吐くのか分からない・・・」という状態なら早めに動物病院で診てもらうようにしてください。
繰り返し吐くことで体力を奪われて脱水症状から危険な状態になることもありますので。
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